- 1 水 2010/02/15(Mon) 18:08
- はじめまして、不定期になると思いますが、短編等を書いていこうと思います。
宜しくお願いします。
(方式:短編) (この小説は無断リンク禁止モードがonに設定されました。) (★このスレは簡易削除モードに設定されました)
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3 水 2010/02/15(Mon) 18:11
- しばらくの静けさのあとに来たのは車の走る音とバスの走る音と、亮の走ってくる音だ。
バス停に直樹が着くと丁度バスが来た。 それと同時に亮が来た。 「なんだって、さ」 その言葉を無視して直樹はバスに乗り込むと後ろの長い椅子に座った。 横に亮も共に座るとバスが発車した。 「寒い。」 直樹が発した声には冷気が混ざっている。 「は?」 「寒いんだよ。」 苛立った直樹の声に亮は仕方ない奴だという感じに椅子にだらりと座った。
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4 水 2010/02/17(Wed) 18:06
- 彼の顔は少し安堵しているようだ。
目の端に亮を捕らえると直樹は前を見た。 バスに乗って五つ目の停留所で下車する直樹には二人きりの車内が少し息苦しく感じた。 亮は自覚しているのかいないのか直樹を意識している節があることを直樹は知っていた。 しかし、それを亮に悟られないようにして気を揉んでいる自分こそが意識している張本人なのではないだろうかと直樹は最近感じている。 「空木、お前寒くねぇの?」 直樹は亮の気持ちに気付いてから苗字で呼ぶようになっていた。 それは自然に出来ていたか疑問になるほどだった。 高校生になってからの付き合いではない。 狭くはないが、決して広くはない地域にいるのだ。 産まれてこの方、亮に会ったことが無かったことなど皆無だったし、同時に友人から紹介されれば下の名で呼んだりする。
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5 水 2010/02/17(Wed) 18:08
- この町で産まれ、この町で死んでいく。
それが雪の降り積もるこの土地の暗黙のこととなっていた。 つまり、誰かと知り合うということが簡単に出来るのだ。 そして、この町から出て行くことは決して難しいことではないのに出て行く者は少ない。 噂やら何やらは、すんなり耳に入り、すんなりと浸透していく。 しかし、多分、亮の気持ちは直樹しか知らない。 直樹が前を見ると亮の顔を視界に入れずにすむことに少し安堵した。 「寒いけど、直樹は寒がりすぎ。」 少しの間があって帰ってきた答えに確かになと胸のうちで肯定して亮に目線を送ると、亮は寂しい笑顔をしている。 「寒ければ暖め合うこともできるじゃん。」 そう亮が言うと直樹は顔色を変えずにジッと彼を見た。
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6 水 2010/02/17(Wed) 18:13
- 「旋毛押すと下痢になるんだって。」
「は?」 直樹はまるで信じていないが亮の旋毛を押したのは目の前に彼の旋毛が見えたからだ。 幼稚だなと自嘲しているところに亮が反撃とばかりに直樹に近付き彼の頭に手をやろうとしたので亮の手を掴んで直樹は力一杯に亮を抑えた。 「自分が先にやったくせにっ」 直樹の力に敵わず亮は諦めて力を緩めて後ろに上体を移動しようとしたので直樹は油断したとしか言えない。 亮に自身の旋毛を押され、もう一度亮の旋毛を押した。 そのときにした顔は得意気なもので亮は何だかどうでもよくなってしまって普通に座ると窓の方に顔を寄せた。 もうすぐ二つ目の停留所だ。 直樹は亮の後頭部を見てから自身の頭に手を持って行き掻こうとしてからもう一度亮を見た。 「なぁ」
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7 水 2010/02/17(Wed) 18:16
- 彼は冷たい窓に顔を向けながら直樹に言ってくる。
黒い窓ガラスに映っている無表情な亮の顔を横目にしながら無骨な直樹の手に力が入っていくのが徐々に彼自身に伝わってくる。 聞き様によっては普通に将来の話のようにも感じるが、聞き様によっては共に住みたいというようにも聞こえる。 否、共に住みたいようにしか聞こえない。 「寒くないの?」 亮がいきなり直樹の方に向いて発したので何が何やら解らずにいると、やはり寂しそうな口角だけを上げた笑い顔でこちらを見ている。 「何が?」 「手」 彼に指摘されるまで直樹は自身の手を厚手のコートのポケットから出していることに気付かなかった。 四つ目の停留所のアナウンスが車内に響く。 「次、だね。」
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8 水 2010/02/17(Wed) 18:17
- 「ここにあった。」
「何が。」 直樹は亮に顔を見せずにポケットの中の手を握り締めた。 「ここにあった。」 彼の顔が気になって亮は直樹の顔の方に体をもっていくと直樹も体を動かせて顔を見られまいとした。 「何が?」 「櫻。」
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9 水 2010/02/17(Wed) 18:19
解り辛いとは思いますが一つ目終わりです。 最初のところに話数みたいなものを書いていないのですが、こんな調子で色々書けたらと思います。
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